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英語を学ぶ理由

先日、NHKの歴史番組「歴史秘話ヒストリア」で明治時代 言語学者 上田万年がいかにして標準日本語を作り上げたかを紹介していました。

明治初期の日本は、標準語としての日本語が成立していないことで大きな混乱があったようです。その混乱とは、地方からの人々が集う東京など都市部において、(江戸の方言を含む)様々な方言が原因で、お互いの会話が成立せず、意思疎通もままならないといった具合です。

そこで上田万年氏が標準日本語を成立させるべく、教育において様々な工夫をし、それが10年後に夏目漱石など文豪が標準語を使った小説などを発表する、といった形で実を結んだ、といった話でした。

万年が実行した、標準語の成立に向けての行動の中で興味深いと思ったのは、以下の3点です。

1)唱歌の導入
万年自身も文部省の作詞委員に加わり、「春の小川」などの唱歌の作詞にも参画したそうです。その理由は、大東文化大学准教授 山口謠司氏によると以下の通りです。

「歌を歌うことによって自分がどういうふうに、正確に音を口から出していくことができるようになるのか。リズムも勉強することができますし、語彙というものも学んでいくことができますし。日本語というものを自分の心の中に植え付けるというか、やさしい日本語というものを歌によって植え付けるようなというような思いも、万年の中にはあったんだろうと思いますね」(山口氏)

語学学習においても、発音の矯正は、正しい発音を「聞き」それを正しく「発音」することによってのみ可能になるのですが、その際にその言語に対する「想い」も植え付けていく、という点です。

歌はそういった点では、標準化に対する効果は大きかっただろうと想像できますし、英語の学習においても、良質な歌を選択すれば十分大きな効果が期待できるのだと思います。

2)教科書の編纂
方言の影響で発音が「標準」からずれてしまうかもしれない語句を、意識的に教科書に「挿絵」として掲載し、それを教室で正しく発音させるような工夫もしていたそうです。

きっと当時の子供たち、あるいは、先生方も「なんでこんなことをやるの?」と思ったことでしょう。(例えば江戸っ子が読むと「ヒト」が「シト」になりがちだったので、あえて「シカ」と「ヒト」の挿絵を見て正しく発音させる、などを行わせようとしたようです。)

英語学習においても、私たち日本人が正しく発音しづらい音を、敢えて紛らわしい語句の音と区別し、練習を繰り返す行うことで、正しい音の理解(リスニング)と発音が可能になるのでしょう。 

その際に、口の中の形、口の開き、舌の位置や動き、発声の箇所、鼻音や破裂音などを正しく指導してもらいながら訓練することで、正しい発音をマスターすることは十分可能だと思います。

3)童話の翻訳
自らグリム童話「オオカミと七匹の子ヤギ」を翻訳し、やはりたくさんの挿絵で、子供達が興味を持って標準日本語の語彙を増やし、新しい子供たちが、毎年、標準日本語で物語を理解でき、語り継げるようにと工夫したそうです。

英語習得にとおいても、子供への働きかけにおいて、童話や紙芝居は現在でもとても有効だと思います。
大人の場合でも、ゆっくりとしたナレーションや物語を読み上げる学習法は大変有効だと思います。

番組はその最後で以下のように万年の言葉を引用して終わっています。

「言葉とは人生のうちで最も幸せな時とでも言うべき子どもの頃の思い出と深く結びついて、成り立っていくものである。思い起こしてみるがいい。幼い頃、一日の遊びに疲れ果て、眠りにつこうとした時、母はどんなにやさしい声で子守歌をうたってくれたことか。」

ともすると、日本国内で英語を勉強していると、その理由が分からなくなってしまうことがあるかもしれません。しかし学習材料で使用するインタビュー、ニュース、記事、動画などの中でメッセージを発信している人々と直接つながっている楽しさを実感できることが学習の重要な意義と考えることもできると思います。 引き続き頑張っていきましょう。

今日はPuff The Magic Dragon をご紹介します

https://www.youtube.com/watch?v=Y7lmAc3LKWM

---words and idioms---
frolicked 飛び跳ねて戯れる
mist 霧
rascal いたずらっ子わんぱく
sealing wax  封蝋ふうろうシーリングワックス
billowed sail 膨らんだ帆
Jackie kept a lookout perched on Puff's gigantic tail ジャッキーはパフの巨大なシッポに腰掛けて見張りを続けた
roared うなる
A dragon lives forever but not so little boys ドラゴンは永遠に生きられるけど子供達はそうはいかないんだ
he ceased his fearless roar ドラゴンは無敵のうなりをやめてしまった
scales うろこ
the cherry lane 桜の小道
mighty dragon sadly slipped into his cave とても強いドラゴンは悲しげに洞窟に潜り込んだんだ

--- expressions ---
Painted wings and giants' rings make way for other toys. 絵に描いた羽と大きな指輪は他のおもちゃに代わってしまった。
make way for ...「~に道を譲る」「~にとって代わる」との意味になります。